■ラクトフェリン事情

出版・新聞社

掲載年月日

タイトル

FOOD
RESEARCH

2005.10
pp.54-59

ラクトフェリン腸溶錠の開発と新規薬理作用(脂質代謝改善作用、鎮痛・抗精神ストレス作用、DNA酸化障害の抑制・修復作用、老化涙腺細胞の若返り)の発見

コメント
  • このHPでは、ラクトフェリンという大変重要な生理活性タンパク質について理解を深めていただくため、ポイント解説や私見も交えて最新の研究成果や開発動向をご紹介している。色々な情報を断片的にご紹介してきたので、まとめの意味で「ラクトフェリン実用化研究の新たな展開」と題してフードリサーチという雑誌に寄稿した記事をお読みいただきたいと思う。

  • ご理解いただきたい最も重要なポイントは、“経口的に摂取されたラクトフェリンは腸管免疫系を介して体内に移行する”ということである。分子量約8万という大きなタンパク質が腸から体内に取り込まれるということは常識的には考えにくいことであるが、鳥取大学の原田悦守教授(当時)に率いられた研究グループによって、腸管からリンパ系を介して体内に移行することが明らかにされた(Experimental Physiology,2004)

  • 従来、ラクトフェリンは胃で消化された分解物も含めて腸内で作用し、体内には移行しないと考えられ、乳業メーカーを中心とする世界のラクトフェリン研究がそういう考え方で進められている。これに対して、NRLファーマの主張は、胃が十分発達していない乳児の場合は別として、タンパク質であるラクトフェリンは胃で消化分解されない剤形で、インタクトな(天然のままの)分子として腸の受容体に届ける必要があり、その結果、ラクトフェリンの様々な生物活性が発揮されるという考え方である。

  • もう一つのポイントは、“ラクトフェリンはミトコンドリアDNAの酸化障害を抑えると共に、異常DNAを修復する機能を維持するエピジェネティックな遺伝子発現調節作用がある”ということである。ミトコンドリアがエネルギーを産生する過程で発生する極めて短寿命の強力な悪玉活性酸素であるヒドロキシラジカルによる酸化障害こそが、がん、神経変性疾患、免疫異常疾患、メタボリックシンドロームなどの加齢性疾患の原因であるという指摘がある。ラクトフェリンの抗酸化ストレス作用はアンチエイジングの決め手になるばかりでなく、加齢性疾患治療薬開発のヒントになるであろう。ラクトフェリンによって老化したラットの涙腺細胞が若返ることを明らかにした東京医科歯科大学・山下靖雄教授らの組織学的所見は特筆すべき発見と言える。

Cancer

July 1, 2008
Vol.113(1), 72-77

腎細胞がんの治療にラクトフェリンと抗がん剤の併用療法がFDAの優先承認審査に指定!―乳がん、卵巣がん、メラノーマなどの固形がんへの有効性も期待される―

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  • 米国では、毎年40,000人以上が腎細胞がんに罹り、約13,000人が死亡している。日本は比較的少なく、この約1/4程度である。一般に予後が悪く、転移すると平均生存期間は1〜2年と言われる。

  • 米国アジェニックス社は遺伝子組換えラクトフェリンの溶液製剤(Talactoferrin, TLF)を用いて非小細胞肺がんの第V相臨床試験(単独及び化学療法剤との併用)を進めていることはすでにご紹介した。ここでは、First Lineの抗がん剤治療の効果がなく、進行、転移した腎細胞がん患者44名にTLFを経口投与した第U相臨床試験の結果をご紹介する。

  • 報告によると、薬剤に起因する重大な副作用がなく、平均の無増悪生存期間は6.4ヶ月、平均の生存期間は21.1ヶ月であった。このうち、2例の有効例があった。1例は47才の女性で、2003年に外科切除を行ったが、肺、腹膜、骨に転移があり、インターフェロン治療を受けたが、がんの進行は止まらなかった。TLF治療後、一部の転移は消失し、2年経過後も再発は認められていない。もう1例は、59才の男性で、2004年に転移した腎細胞がんが見つかり、インターロイキン2の治療を受けたが進行は止まらなかった。TLF投与22週でPartial responseが認められた。

  • この結果を受けて、FDAはスニチニブ(血管新生阻害作用のあるキナーゼ阻害剤)との併用療法を腎細胞がんの第一選択治療法としてFirst Track(優先承認審査)に指定した(2009.5.19,アジェニックス社プレスリリース)。近い将来、これまでよりも副作用の少ないがんの治療法として承認されるものと思われる。ラクトフェリンには放射線治療の副作用防止作用もあり、今後、ラクトフェリンの臨床応用が進めば、がんの治療には副作用が避けられないということが過去の話になる時がいずれ来るであろう。

週刊朝日

2009.10.30号

線維筋痛症―原因不明の全身的な痛みが3ヶ月続く場合は要注意とのこと―

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  • 線維筋痛症という悲惨な病気がある。重篤な場合は、本人は死にたくなるような激しい痛みがあるのに、医師の診察を受けても原因不明で、“詐病”と疑われることすらあるという。たまたま週刊朝日の10月30日号に特集記事があったのでご紹介したい。

  • ラクトフェリンの鎮痛作用に関する新聞記事を読んだ線維筋痛症の患者さんから相談のお手紙をいただいたということを、鎮痛作用の発見者である鳥取大学・原田悦守名誉教授から伺っていた。数年前、米国出張の折に臨床専門家にこの話をしたところ、米国では診断基準も確立しており、特に大きな医療上の問題にはなっていないということだった。

  • ここでご紹介させていただいた記事でも、同じような話が述べられており、聖マリアンナ医大・西岡久寿樹教授らのご努力で、わが国でも診断基準の作成や医療関係者への認知を高める活動が進められていることが分かる。

  • この患者さんの場合は、およそ半年くらいラクトフェリン腸溶錠を摂取され、背中の痛みは残っているものの全身の激しい痛みで苦しむことはなくなったそうである。主治医の方も半信半疑という感じであったが、経過をお伺いすると、確かに痛み止めに処方している薬剤の種類や投与量は減っているというお話だった。もっと早期に診断がついた患者さんの場合は、ラクトフェリンの効果が出やすいようである。

Functional Food

Vol.3 No.1(2009), 8-13

病気の治療から予防の時代へ―その中心が“抗加齢医学”であり、眼科領域には緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症など、加齢と関連する疾患が多い―

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  • ”Functional Food”という雑誌の最新号に、抗加齢医学、再生医療などに熱心に取り組んでおられる慶応義塾大学医学部眼科学教室・坪田一男教授の「眼科における機能性食品の重要性」と題する興味深い論説が出たのでご紹介したい。同教室では現在、ドライアイへのラクトフェリン腸溶錠の臨床効果に関する研究が進められている。

  • 超高齢化社会を迎え、病気になってから治療するのではなく、病気にならないで健康に齢を重ねることを願うのは誰しも当然のことだが、坪田教授によれば、抗加齢医学の基本は、酸化ストレス仮説とカロリー制限仮説に基づくライフスタイルの改善(食生活と運動)が重要とのこと。

  • 眼科における加齢疾患の代表が緑内障で、2006年の統計では我が国における失明の原因疾患として糖尿病網膜症を抜いて緑内障が第一位になり、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症と合わせた4疾患で失明原因の実に63%を占めているそうだ。

  • とりわけ酸化ストレスこそがミトコンドリアDNAの酸化障害の源であり、ゆりかごから墓場まで我々の生命活動に付きまとっている。飽食が無用な酸化障害を招くことも常識であり、カロリー制限が好ましいことも肯けることである。ラクトフェリンの摂取でDNAの酸化障害が抑制され、かつ、異常DNAの修復機能を維持することが証明されており、抗加齢医学を支えるサプリメントがラクトフェリンであるということを是非ご理解いただきたいものだ。

BioFactors

vol.21(2004), 69-72

インフルエンザウィルスなどの感染に対する自然免疫力の指標である抗ウィルス性タンパク質、インターフェロン産生能が腸溶性ラクトフェリンの摂取で増加することが分かった!

コメント
  • サンスターの石角篤博士らは、ラクトフェリンのリポソーム製剤を開発し、健常人ボランティアに一日あたり300mgのリポソームーラクトフェリンを4週間投与し、その後、一定期間休薬したのち、非リポソームーラクトフェリン投与を行う、いわゆるクロスオーバー二重盲検試験を実施した。このクロスオーバーという方法はバラツキの多い生物反応を評価するのに同じ個体の反応を比較評価することにより、個体差の影響を打ち消す手法である。

  • いくつかの免疫指標の変化を測定した結果、ウィルスで誘導されるインターフェロンαの産生量が有意に変化することが分かった。例えば、リポソームーラクトフェリン投与1週間でインターフェロン産生レベルが平均7,123IU/mlから約2倍の平均14,418IU/mlに増加した。非リポソームーラクトフェリンの場合は、平均6,423IU/mlが平均7,585IU/mlに微増しただけであった。さらに、4週間摂取後は、リポソーム製剤が平均16,661IU/mlに上昇したのに対して、非リポソーム製剤では、平均7,063IU/mlであった。

  • リポソーム製剤は薬剤を脂質の膜に閉じ込めたもので、胃内では安定であるが、小腸で胆汁酸の作用で崩壊し、内部の薬剤が放出される一種の腸溶製剤である。インターフェロンはウィルス感染に際して細胞が産生する抗ウィルス性のタンパク質で、自然免疫能の代表的な指標である。

  • つまり、石角博士らの実験は、一日あたり300mgの腸溶性ラクトフェリンの摂取で健常人の抗ウィルス活性が亢進すること、腸溶性でない場合は、効果がほとんど認められないことを示している。

Milk Science

vol.53(2004), 313-314

ラクトフェリン腸溶錠による血清脂質の改善(中性脂肪の燃焼、基礎代謝亢進、体重減少、コレステロール低下)が認められた症例

コメント
  • タンパク質であるラクトフェリンを経口摂取して効果を発揮させるには、胃で消化分解されないような工夫が必要であるという、言われてみれば当たり前のことを主張し、また、鳥取大学との共同研究の成果であるラクトフェリンの脂質代謝改善作用、鎮痛作用をはじめて発表したのが、2002年に開催された第4回国際天然薬物と消化管エコロジーシンポジウムであった。

  • このシンポジウムは漢方薬に造詣の深い専門家の集まりで、ラクトフェリンの多様な生理作用の話を極めて自然に受け入れてくれたことを覚えている。メバロチンの開発で有名な遠藤章先生が小生の講演を聞いて、ネズミでこれだけ脂質が動くのは極めて興味深い。早くヒトで効果を確認するようにと激励してくださった。

  • ネズミ、ラットのような小型げっ歯類動物は運動が活発で、エネルギー代謝が厳密にコントロールされており、容易なことでは脂質の改善が認められないそうだ。メバロチン開発物語で、当初、なかなか小動物の実験で効果が認められず開発が頓挫しかけたが、ふとしたきっかけからニワトリで効果を確認でき、クスリの王様と言われるメバロチンが生まれたという話が伝えられている。

  • このときの学会の事務局長だった木元博史先生がラクトフェリン腸溶錠にご興味を持っていただき、ご自分の病院のスタッフを動員して、飲酒後の中性脂肪の燃焼、基礎代謝亢進、体重減少、コレステロール低下を認めたのが、ラクトフェリンの脂質代謝改善効果を臨床的に確認した最初の報告となった。

Brain Research vol.979(2003), 216-224

痛みと精神的なストレス(不安)はいずれもμーオピオイドが関与している!

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  • 授乳期の仔ラットを母親から引き離すと、仔ラットは不安になって母親を探してキョロキョロしたり、母親を求めて泣き叫ぶ(ラットの鳴き声は超音波だそうだ)。この不安行動をラクトフェリンが抑えること、この応答を支配しているのがμ―オピオイド(脳内にあるモルヒネ様物質が作用する結合部位)であることを鳥取大学の研究グループが明らかにして2003年に発表した。

  • イタリアのMoles博士らがμ―オピオイドのノックアウトマウス(μ―オピオイドの遺伝子を欠損させたマウス)を作成して、このμ―オピオイドが働かなくなったマウスは母親から引き離されても平気であることを報告し、(Moles, A. et al., Science vol.304(2004), 1983-1986)“母を恋しがらないネズミ”として話題になった。

  • つまり、単純な言い方をすれば、肉体的な痛みも精神的なストレスや不安も共通の生物反応であることを示している。我々が肉体的な痛みや心の痛みに遭遇すると、エンドルフィンやエンケファリンなどの脳内オピオイドが分泌されて痛みを和らげる。ラクトフェリンはこの神経応答を強める作用がある。麻薬のようにオピオイドには結合せず、シグナル応答を増幅するだけなので、モルヒネのように耽溺性や耐性の問題は生じない。

J Biomedicine and Biotechnology

vol.2006, pp.1-13

老化とアルツハイマー病の治療にミトコンドリア指向性の抗酸化剤が期待される!

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  • 生物は細胞のミトコンドリアというところでエネルギーを生産して生きているが、その過程でヒドロキシラジカルという短寿命の毒性の強い活性酸素が生成し、遺伝子に酸化障害が蓄積する。このミトコンドリアDNAの異常が万病のもと、少なくとも老化病の原因であると考えられていることはすでに述べたとおりである。

  • ところで、日常生活で普段より頭を使うことがあると疲れて、甘いものが欲しくなるのはよく経験する。これは、理屈にあっていて、脳の重さは体重の約2%に過ぎないが、その10倍近いエネルギーを消費しており、そのエネルギー源はグルコースに限定される。赤ちゃんは大量のラクトフェリンを母乳から摂取しているが、我々が発見したラクトフェリンの脂肪燃焼作用は、活発に活動する赤ちゃんの脳のエネルギー源であるグルコースを確保するためであるというのが我々の推測である。

  • ミトコンドリアでのエネルギー生産には必ず一定の割合で活性酸素が発生することは避けられず、それががん化や免疫異常を引き起こすことになるが、アルツハイマー病のような神経変性疾患でも活性酸素による酸化ストレスが病態と深い関わりがあることが様々な研究結果から浮かび上がってきている。また、ご紹介する機会があると思うが、ラクトフェリンは血液脳関門Blood-Brain Barrierを速やかに通過することが分かっており、すでにご紹介したとおり、ミトコンドリアDNAの酸化障害を抑えることも分かっているので、ラクトフェリン腸溶錠の摂取はボケ防止の極めて有力な対策である。いずれきちんとした臨床試験で明らかにしたいものと考えている。

Pediatric Research

vol.53(No.3), 2003

生後一ヶ月の新生児も母乳成分(ラクトフェリン)を武器に酸化ストレスと激しく戦っている!

コメント
  • 我々はミトコンドリアで脂肪酸や糖を酸素で燃焼させてエネルギーを生産して生きている。その過程で、ヒドロキシラジカルという短寿命の毒性の強い活性酸素が生成し、遺伝子に酸化障害が蓄積する結果、加齢に伴う老化病の原因になる。飽食、環境変異物質、放射線などがこの酸化障害による老化を促進する。我々は幸いなことに、この酸化障害で生じた異常な遺伝子を切り出して正常なものに置き換える修復機能を持っている。切り出された異常DNAは尿中に排泄される。

  • 順天堂大学小児科の研究グループは、生後一ヶ月の健康な41名の新生児(男23名、女18名)を、母乳(90%以上)栄養群、調整乳(90%以上)栄養群、その中間群など、4群に分けて、尿中に排泄される異常DNA(8-OHdG)の量を調べた。その結果、尿中クレアチニン1mgあたりの8-OHdG量が、母乳栄養群では平均38.5ng、調整乳栄養群では平均204.4ngで、その他の群ではそれらの中間であった。

  • 健康な成人の場合、クレアチニンで標準化した尿中8-OHdG量は平均15.4ngという報告があるので、新生児は成人よりもはるかに激しくDNAの酸化障害を受けており、これを尿中に排泄していること、母乳栄養では、この酸化障害が著しく抑えられていることが分かる。

Ophthalmology

vol. 114, p.2366-2367.e1-e4 (2007)

シェーグレン症候群(膠原病の一種)による重症ドライアイに腸溶性ラクトフェリン が有効

コメント
  • ラクトフェリンは母乳に多く含まれる生理活性タンパク質で、胃での消化分解が十分発達していない乳児は、摂取したラクトフェリンを腸管から吸収してすくすくと成長する。人類は特にラクトフェリンへの依存度が高いといわれている。ラクトフェリンは成人でも好中球が産生しており、外分泌液中に多く分泌されるが、涙には特に高濃度含まれる。酸化障害を抑える作用が特徴なので、空気に晒される部位に多いのは肯ける気がする。

  • 慶応大学医学部の坪田一男教授らは、ラクトフェリンの免疫調節作用、抗炎症作用に注目して、シェーグレン症候群(膠原病の一種)による重症ドライアイへの臨床効果を調べた。7名の患者(14眼)にラクトフェリンの腸溶性カプセル剤を、一日あたりラクトフェリンとして270mgを、8週間内服投与した。その結果、ドライアイの自覚症状、人工涙液点眼回数、涙液破壊時間など、色々な評価項目について、非投与群(患者3名、6眼)に対して明らかな改善効果を認めた。

  • この結果は、Ophthalmology(眼科学)という著名な専門誌に発表され、安全性の問題も認められないので、症例数を増やしてきちんとした臨床試験を実施する価値があると提案されている。シェーグレン症候群というのは膠原病の一種であり、ラクトフェリンの臨床効果に強い手ごたえを感じられたものと推測される。

Fortune

2004.3.22

「がんとの戦い」―なぜアメリカ人はがんで死に続けるのか?Clifton Leaf著)

コメント
  • この数十年で循環器系疾患による死亡率は著しく低下しているのに比べて、がんによる死亡率はほぼ横這いという状況にあり、その結果、がんによる死亡が死因のトップを占めるようになった。

  • なぜ、がんの治療法の開発が進まないのか?“なぜアメリカ人はがんで死に続けるのか?”というC.Leaf氏の衝撃的な論説が雑誌フォーチュンに掲載されたのは2004.3であったが、その状況は米国のみならず、わが国でもいまだに大きく変わっていない。大変重要な問題提起であるので、原文記事と杉原啓子氏による日本語の抄訳をご紹介したい。

  • 【記事の一部抜粋】しかし残念なことに、がんに侵された細胞が一つ残らず切除されない限り、緩解が見られても患者の生存率は改善しない公算が大きい。というのは、腫瘍が極めて悪性であると診断された時、すでに10億個以上の細胞を持つブドウ程度の大きさになっていることが多いためである。発見される前に、こうしたがん細胞の一部はすでに分裂し、体の他の部分へと移動を始めている可能性が高い。これを転移という。(中略)最終的にがん患者を死に至らしめるのは局所的な腫瘍ではなく、転移のプロセスである。死因の実に90%が転移なのである。

  • 当然のことであるが、がん化した細胞を一つ残らずやっつけるには、我々が本来持っている免疫の力に頼るしかないのである。現在、米国で進められているラクトフェリンによるがん治療はその可能性を拓くものとして注目される。

ラクトフェリン2007(日本医学館)

2回ラクトフェリンフォーラム(2006.11)要旨集

体内移行ラクトフェリンの新規作用の発見とその応用―抗不安・鎮痛、関節炎の軽減、脂質代謝改善など―2004年にラクトフェリンが腸管からリンパ系を介して体内に移行することが証明された!

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  • ミルク由来成分の体内移行の問題を地道に追求されている鳥取大学農学部獣医生理学教室・原田悦守名誉教授、竹内崇教授らの第2回ラクトフェリンフォーラム(2006.11)での発表

  • 経口摂取されたラクトフェリンは腸管からリンパ系を介して体内に移行し、血液循環に合流して脳血液関門を通過して脳内にも移行する。

  • 体内に移行したラクトフェリンは、精神的な不安や痛みを緩和する作用、関節炎の症状を和らげる作用、脂質代謝を改善する作用などを示すことを動物実験で明らかにした。

  • 特に、リウマチモデルであるアジュバント関節炎ラットで、ラクトフェリンが炎症性サイトカインTNFαの産生を抑制し、抗アレルギー因子であるIL−10の産生を亢進することにより抗リウマチ作用を示すことは、作用メカニズム的に大変興味深い。

Journal
of Hepatology

2008 vol. 48,
p.486-493

劇症肝炎モデルでラクトフェリンのアンチエイジング作用が明らかに!活性酸素による異常DNAの蓄積が、動脈硬化、がん、アルツハイマー、膠原病など、加齢性疾患のリスクを高める!

コメント
  •  慈恵医大の坪田昭人博士らは、劇症肝炎モデルLECラットにラクトフェリンを経口投与したところ、生存率が著名に上昇することを観察した。

  •  この原因を調べた結果、肝細胞のミトコンドリアDNAの酸化障害が抑制されていること、さらに異常DNAを修復する酵素活性が正常に保たれるということを見出した。

  •  我々は酸素を使ってミトコンドリアでエネルギーを生産して生きている。その過程で活性酸素による酸化障害を受け、異常DNAが蓄積することが様々な加齢性疾患の原因とされている。

アジェックス社
発表

'08.01.18

ラクトフェリンによる非小細胞肺がんの治療(単独及び化学療法剤との併用)が米国でフェーズVに入った!その作用メカニズムは樹状細胞の活性化による自然免疫及び獲得免疫の活性化!

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  • 米国アジェニックス社は、2005.10,ハワイで開催された第7回ラクトフェリン国際会議で、進行した非小細胞肺がん患者110名を2群に分けて、標準化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)に遺伝子組換えヒトラクトフェリンを一日1.5gx2回=3gの溶液製剤を併用する群、しない群の治療効果を比較するフェーズUの臨床試験結果を発表した。

  • その結果、ラクトフェリン非併用群の寛解率が29%であったのが、併用群では47%に向上し、問題となる副作用もなかった。

  • この結果をもとに、FDAが承認したプロトコールで、2008.1からフェーズV臨床試験に入ることを発表した。

  • 近い将来、食品素材として注目されていたラクトフェリンが、がんの治療薬としてFDAの承認を得ることが予想される。

  • その作用メカニズムは、樹状細胞の活性化による自然免疫とがん抗原に対する獲得免疫の両方を活性化するとされている。

  • ラクトフェリンは、腸管免疫の主役であるパイエル板という組織のM細胞から取り込まれて、リンパ系経由で体内に移行することが分かっており、樹状細胞を活性化することは十分考えられる。

読売新聞

'02.03.22

C型肝炎克服に向けて

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  • 最近、C型肝炎の治療用に「リバビリン」と「コンセンサスインターフェロン」という二つの新薬が承認され、難治性のケースに対して臨床の現場での治療選択肢が増えたことは、患者さんにとって力強い朗報である。

  • 横浜市大・消化器内科教授の田中克明先生は、初乳に多く含まれるラクトフェリンというタンパク質がウィルスに結合して肝臓内への侵入を抑える作用があることに注目されており、全国的に進められている臨床試験の結果に大きな期待を寄せられている。

毎日新聞

'02.03.20

腸に大切な『ラクトフェリン』第2回食生活サポートフォーラム21にて

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  • 腫瘍免疫学が専門の星野泰三先生が大変分かりやすく、現代人の食生活と免疫力についてお話されています。

  • 先生は体の免疫力というのは、ある時は免疫を高め、ある時はアレルギーのような行き過ぎた免疫反応を抑えるという、「免疫調節能力」であることを強調しておられます。

  • 私たちの免疫力で一番大切なのが、ラクトフェリンというタンパク質による腸の免疫調節能力です。

  • 何人かの人で試験した結果、冷え性が良くなった例、乾燥肌でがさがさだった肌がすべすべになった例などがあるそうです。

月間ガイア

'02.3月号

アイフェリンについてインタビューを
受けました!!
 

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  • ケント・ギルバートさんは健康食品について大変詳しい方で、欧米の健康食品は鉄分を除去しているのに日本はまだ遅れていること、ラクトフェリンはこの鉄分を取るので優れた健康食品であることなどをインタビューの中で教えていただき、勉強になりました。

  • アイフェリンについては、ラクトフェリンが働く場所の腸まで届くように、腸溶性にしている点をご説明し、健康のために試してみる価値があることを納得していただきました。

工業技術新聞

'02.02.20

核内受容体研究所ベンチャーフェアー
2002に出展

コメント
  • (株)核内受容体研究所(アイフェリン製造元)がラクトフェリン腸溶錠についてベンチャーフェアージャパン2002に出展し、大変好評となりました!

健康産業新聞

'01.10.10

ラクトフェリンに血管新生阻害作用
(第60回日本癌学会総会)

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  • 東京都臨床医学総合研究所の研究グループがラクトフェリンのがん転移抑制作用のメカニズムとして、ラクトフェリンが動物実験で血管新生を阻害することを確認した。

  • がん細胞は転移した場所で微小血管を新生し、自分が生きていくための栄養を確保する。今回の研究結果によって、ラクトフェリンのがん転移抑制作用のメカニズムが明確になったと言える。

日経産業新聞

'01.08.22

ラクトフェリン 胃のピロリ菌減少

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  • 森永乳業と三重大学、和歌山労災病院の研究グループはラクトフェリンに胃潰瘍や胃がんの原因とされる胃の中のヘリコバクター・ピロリ菌を減らす効果があることを確かめた。

食品化学新聞

'01.07.18

第五回ラクトフェリン国際会議に参加して

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  • 滑j内受容体研究所(アイフェリン製造元)・常務取締役の清水洋彦氏(技術士)はカナダで開催された第5回ラクトフェリン国際会議に参加し、「見直されるラクトフェリン」と題して、最新の研究状況を報告しました。

  • 世界中から約140名の研究者が集う盛会で、最大の話題はラクトフェリン・リセプター(ラクトフェリン分子の作用を受け止める場所)のクローニングで、組織分布を調べたところ小腸に圧倒的に多いことが分かりました。

東京読売夕刊

'01.05.28

C型肝炎難治患者の治療

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  • 横浜市大・田中克明教授らの研究グループは、インターフェロンが効きにくいタイプのウィルスに感染したC型肝炎患者で、インターフェロンとラクトフェリンの併用効果を調べた。

  • その結果、ラクトフェリンを一年間併用したグループでは明らかにウィルス量が減少していた。

 

150粒入りボトル
7,875円(税込み)


 

 

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